頻出問題の解法セミナー:判断推理(III種・初級




    対  応  関  係 


     対応関係の問題とは、例えば、条件から推理して、数人の人物とそれぞれの行き先や持
    ち物などを対応させたり、確実に対応するものを解答したりするというような分野の問題
    である。
     対応関係の問題では、条件を整理するために、「対応表」とよばれる表を作成し、そこ
    に条件を記入していくところから解答を導いていく。最も基本的な対応関係の問題の解答
    方法の手旬は次の通りである。
    (1) 対応表を作成する。
    (2) 条件を対応表に記入する。(記入方法は簡単に○×などの記号を用いる)
    (3)条件から判断できることがあれば記入する。
    (4) 必要に応じて「場合分け」の作業を行なう。
     この手順の中で、特に「場合分け」はしっかりと理解して欲しい。「場合分け」とは英
    語の仮定法のように、「もし○○が△△をもっているとしたら、他者はどのようになるか
    (矛盾せずに対応関係が成立するかどうか)」という具合に考えていく方法である。
     問題においては、「確実にいえることはどれか」という問いになっている場合が多いの
    で、上記の手順にしたがい、完成した対応表をもとに選択肢を検討していく。


〔問題 1〕4種類の調度品(テーブル、飾り棚、鏡および絵画)がそれぞれ3個ずつある。これらの
    調度品すべてを、同じ部屋には同じ種類のものを置かないようにして、A〜Eの5つの部
    屋に置くことにした。次のア〜エがわかっているとき、確実にいえるものはどれか。
    ア A、BおよびCの各部屋にはそれぞれ2種類、DおよびEの部屋にはそれぞれ3種類
      の調度品がある。
    イ AとCの部屋にある調度品は全く同じである。
    ウ Dの部屋には、Bの部屋にある2種類の調度品に加えてテーブルがある。
    エ Bの部屋には飾り棚はない。
    1 Aの部屋には、テーブルおよび鏡がある。
    2 Aの部屋には、テーブルおよび絵画がある。
    3 Dの部屋には、テーブル、飾り棚および鏡がある。
    4 Eの部屋には、テーブル、飾り棚および鏡がある。
    4 Eの部屋には、飾り棚、鏡および絵画がある。


〔問題 1〕正答 5
     整理しながら解答を導くために、対応表を作成しながら考えていく。まず、ア〜エの条
    件を記入すると次のようになる。(図1)
    (図1) ┌─┬───┬───┬───┬───┬─┐  
        │ │テーブル │飾り棚│ 鏡 │絵画 │ │
        ├─┼───┼───┼───┼───┼─┤
        │A│   │   │   │   │2│
        ├─┼───┼───┼───┼───┼─┤
        │B│   │ × │   │   │2│
        ├─┼───┼───┼───┼───┼─┤
        │C│   │   │   │   │2│
        ├─┼───┼───┼───┼───┼─┤
        │D│ ○ │   │   │   │3│
        ├─┼───┼───┼───┼───┼─┤
        │E│   │   │   │   │3│
        ├─┼───┼───┼───┼───┼─┤
        │ │ 3 │ 3 │ 3 │ 3 │ │
        └─┴───┴───┴───┴───┴─┘
     条件ウとエを見ると、DにはBにある調度品+テーブルがあり、しかも、Bには飾り棚
    はないのであるから、Bにある2種類は鏡と絵画であることが判明し、Dにもあることが
    分かる。ここまでをまとめると次のようになる。(図2)
    (図2) ┌─┬───┬───┬───┬───┬─┐  
        │ │テーブル │飾り棚│ 鏡 │絵画 │ │
        ├─┼───┼───┼───┼───┼─┤
        │A│   │   │   │   │2│
        ├─┼───┼───┼───┼───┼─┤
        │B│ × │ × │ ○ │ ○ │2│
        ├─┼───┼───┼───┼───┼─┤
        │C│   │   │   │   │2│
        ├─┼───┼───┼───┼───┼─┤
        │D│ ○ │ × │ ○ │ ○ │3│
        ├─┼───┼───┼───┼───┼─┤
        │E│   │   │   │   │3│
        ├─┼───┼───┼───┼───┼─┤
        │ │ 3 │ 3 │ 3 │ 3 │ │
        └─┴───┴───┴───┴───┴─┘
     次に鏡と絵画はA・C・Eの3人のうち誰か1人が持っていることが分かるが、条件の
    イを見るとAとCの調度品は全く同じであるために、鏡と絵画を持っている可能性はここ
    でなくなり、Eが持っていると分かる。
     このことから、AとCがテーブルと飾り棚を持っていることが判明し、最後にEが飾り
    棚を持っていることが分かる。以上をまとめると下のような図になり、(図3)正答は選択
    肢5となる。

    (図2) ┌─┬───┬───┬───┬───┬─┐  
        │ │テーブル │飾り棚│ 鏡 │絵画 │ │
        ├─┼───┼───┼───┼───┼─┤
        │A│ ○ │ ○ │ × │ × │2│
        ├─┼───┼───┼───┼───┼─┤
        │B│ × │ × │ ○ │ ○ │2│
        ├─┼───┼───┼───┼───┼─┤
        │C│ ○ │ ○ │ × │ × │2│
        ├─┼───┼───┼───┼───┼─┤
        │D│ ○ │ × │ ○ │ ○ │3│
        ├─┼───┼───┼───┼───┼─┤
        │E│ × │ ○ │ ○ │ ○ │3│
        ├─┼───┼───┼───┼───┼─┤
        │ │ 3 │ 3 │ 3 │ 3 │ │
        └─┴───┴───┴───┴───┴─┘

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